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pixiv ⇒ 君からの贈り物
高尾お誕生日おめでとうございます~*
ギリギリ間に合いましたー。
緑間ならどうやってお祝いするのかなぁと考えて出来上がったものです。
素直じゃないツンデレな真ちゃんからの贈り物。
高尾お誕生日おめでとうございます~*
ギリギリ間に合いましたー。
緑間ならどうやってお祝いするのかなぁと考えて出来上がったものです。
素直じゃないツンデレな真ちゃんからの贈り物。
+ + + + + + + + + +
その予兆は一週間前からあった。
緑間は高尾に向けて眼鏡を左手で上げながら言った。
「明日から、しばらくこれでこなくてもいいのだよ」
「へ?」
緑間の指す〝これ〟とは、何故か2人でよく乗るようになったチャリアカーの事だ。
これに乗って移動するより歩いた方が早いような気もするし、結局高尾は緑間とのじゃんけんで負けるので、これを漕ぎ続けるはめになるので疲れるのは高尾だ。
緑間の申し出は諸手を挙げて喜ぶべきことなのだが、どこか拍子抜けな部分もあり高尾は嬉しさよりも違和感が勝っていた。
「しばらくって、いつまで?」
金輪際とは言われていない。ということは、いずれまたこれを使う時が来るという事だろうと思いながら問いかけるが、緑間は少し困ったように眉間に皺を寄せ、1週間と告げた。
何故に1週間なのかはわからなかったが、高尾は深くは追求せずに了解と返し、今日はこれを使うんでしょと、緑間にじゃんけんしようと声を掛けた。
やはり、高尾が漕ぐことに変わりはなかった。
そしてその日から、緑間は高尾に蠍座のラッキーアイテムを手渡してきた。
「真ちゃん。なに、これ……?」
「今日のラッキーアイテムなのだよ」
高尾の手に渡されたのは本日のおは朝にて蠍座のラッキーアイテムと言われていたもの……らしい。犬のぬいぐるみが渡された。
高尾は基本的におは朝の占いは蟹座しか見ていないので、始め渡されてもピンとはこなかった。
「なんで?」
「今日の蠍座は最下位だったのだよ」
練習に支障が出ては困るのだよと、緑間言い部室へと歩いていく。
朝練は基本的に基礎練になる。挨拶をして部室に入れば宮地清志が目敏く高尾の手にあるものに気付く。
「なんだ、それ?」
お前もついに緑間に感化されたのか? と、言うが高尾は違うと否定する。
部室のロッカーで涼しげに着替えている緑間を指し示し用意してくれてたんですと説明すると宮地は意外そうな顔をして緑間へと視線を向ける。
「蠍座が最下位だったらしくて、とばっちりは嫌だという事で」
「へえ……。ま、好意は素直に受け取っておくに限るはな」
最近では緑間のラッキーアイテムが部室に鎮座していたり、体育館に置かれていたりするのは日常の一部となっていて、今さらそれが一つ増えたところで支障はない。
慣れとは恐ろしいものだと高尾は思った。
緑間に会う前の自分では、こんなアイテムなど気にも留めていなかったが、最近では毎朝チェックまでして、もし緑間に用意が出来なかった時の事まで考えてしまっている。
それほどに、緑間がこの占いを大切にしているのかを高尾は知ってしまったからだ。
何事にも真摯に向き合い全力を出し尽くし、人事も尽くす。
その姿勢は、バスケ部全体に認められ、ラッキーアイテムに固執する姿さえ受け入れられている。
「ほら、さっさと着替えて練習するぞ」
大坪の声に高尾は急いで着替えて体育館へと向かった。
勿論、緑間に貰った犬のぬいぐるみも一緒に。
翌日はチャリアカーを使わず、緑間と歩いて登校する。自転車がないだけで、緑間との距離が近いような気がした。
そして渡されるラッキーアイテムに高尾は驚きながらも宮地の行っていた通りに素直に受け取っておこうと高尾はそれを手に取った。
そんな緑間とのやりとりはチャリアカーを使わなくなって1週間続いた。
「今日の放課後は体育館の整備で使えないから、練習は休みになるからな」
「はい」
朝練終わり、主将である大坪の連絡事項に全員が声を出し返事をする。前日から通知されてはいたが実際の練習が無いというのは物足りない。
今日も緑間から渡されたラッキーアイテムの木のおもちゃを手にして教室へ向かう。もちろん緑間の手にも蟹座のラッキーアイテムであるピンクのノートが握られている。
「今日、練習無いなんてなぁ。退屈だ」
高尾は伸びをしながら、隣にいる緑間を見る。緑間はいつもの表情で横にいる。
「高尾」
「ん?」
「退屈と言うことは時間があるのか?」
緑間の問いに高尾は特に疑問に思うことはなく、うなずいて答える。
「元々、練習ありきで予定組んでっからさ」
練習がないなら時間余りまくってるよと、続けると緑間はそうかと呟いた。
「なんかあんの?」
あまり自分から人を誘うという行為をしたことがない緑間はすぐに誘いの声を掛けることがない。
ここ半年の付き合いである程度の事は察することが出来るようになってきたので、高尾は緑間が話しやすいように問いかけたり、話し出すのを待ったりしている。
「音楽室につき合え」
「……音楽室?」
出てきた言葉に高尾は驚いて持っていた鞄を落としそうになる。
自分たちの学校生活でもっとも使用しないであろう教室に高尾は疑問符をたくさん浮かべながらも緑間が誘うのならばと首を縦に振っていた。
本日の日直だった高尾は先に音楽室に行っていると緑間に言われていた。日直の仕事を終え教室に戻り鞄を手に取り言われた音楽室へと向かった。
「わりぃ、真ちゃん。お待たせ」
音楽室に入り緑間に声を掛ける。
「別に気になどしていないのだよ」
そう言って眼鏡を上げる左手にテーピングがないことに高尾は気づいた。
「あれ、テーピング……」
「付けたままでは弾けないのだよ」
「へ?」
緑間は一言そういうと、音楽室にあるグランドピアノに腰掛ける。鍵盤の上に指を軽く乗せ一つ呼吸をしてピアノを弾き始めた。
呆気にとられる程の技量の演奏に高尾は見入っていた。曲は高尾でも聞いたことのあるピアノ協奏曲だった。
譜面もなくあっさりと弾いてしまう緑間の違った一面に高尾は驚きながらも、このピアノもバスケの様に練習を積み重ねたのだと想像がついた。
一曲弾き終わった緑間に高尾は素直に拍手を送る。
「すげーな、真ちゃん。ピアノ弾けんだ」
「言っていなかったか?」
言っていたと思ったと、言う緑間に高尾は首を振る。
「将棋が趣味なのは聞いたけどピアノは聞いてない」
「そうか。なら、少しは驚いたか?」
「少しどころかかなりね」
少し嬉しそうに言う緑間に高尾は肩を竦める。
「なら、良かったのだよ」
緑間は嬉しそうに言うと、もう一度ピアノに向き合った。今度は何だろうと高尾が疑問に思っていると「ハッピーバースディ」を弾き始める。
そして高尾はすべてに合点がいった。
今日は高尾の誕生日。
「ってことは、今のって……」
「一応、祝ってやったのだよ」
ピアノの蓋を閉め立ち上がる緑間に高尾は思わず笑みをこぼす。
「祝い方も素直じゃないなぁ、真ちゃんは」
「う、うるさいのだよっ」
緑間は顔を隠すように横を向いたまま鞄を持ち音楽室を出ようとする。
高尾は笑いながら緑間の横に並ぶ。
この偏屈なエース様は、この一週間高尾の誕生日のために動いていたということだった。
じゃんけんに負け続ける高尾の為、自分が負けるということは出来ないのでしばらくチャリアカーには乗らないことを決め、誕生日を迎えるまでの一週間が良い日が続くようにと用意された蠍座のラッキーアイテム。そして高尾の為だけに開かれた演奏会。左手のテーピングまで外してくれた本気の演奏に緑間の真剣さが伝わる。
緑間にそうやって祝ってもらえるくらいには、高尾が横にいることが当たり前になってきたということなのだろうか。
「真ちゃん」
「……」
「ありがとう」
高尾の感謝の言葉に緑間は眼鏡を上げながら高尾に向けて小さく言った。
「誕生日おめでとう、なのだよ」
生まれてきてくれて、ありがとう。
ここで出会えた事に感謝。
HAPPY BIRTHDAY !!
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【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。
作者及び出版社等は一切関係御座いません。自己責任で閲覧ください。
※無断転載禁止※
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