pixiv⇒とある選手たちの休日 【高尾×緑間】
差し替えEDからのお話。
秀徳コンビから始まるとある休日のお話。バスケットコートに集合するまで。
事の発端はきっとキセキのメンバーで話が持ち上がりそこに誠凛メンバーが便乗していったのかなぁと。
差し替えEDからのお話。
秀徳コンビから始まるとある休日のお話。バスケットコートに集合するまで。
事の発端はきっとキセキのメンバーで話が持ち上がりそこに誠凛メンバーが便乗していったのかなぁと。
+ + + + + + + + + +
はじまりは緑間からの言葉。
「今度の日曜、空いているか?」
「なにそれ、真ちゃん。デートのお誘い?」
「違うのだよ」
表情を隠すように眼鏡を上げ、高尾の目の前に携帯電話の画面を突き出す。
そこには差出人、黒子テツヤの文字。メールの中身は今度の日曜にストリートバスケコートに集まって3on3(スリーオンスリー)をやろうというものだった。
現段階で決まっているメンバーは誠凛から、黒子・火神・日向・伊月・木吉、海常から黄瀬と笠松が決まっているそうだ。今、桃井の方で桐皇の方にも声を掛けているというので、きっと青峰あたりが参加することになるだろうと予想できた。
「へえ、おもしろそうじゃん」
「で、空いているのかと聞いているのだよ」
「空いてる空いてる」
携帯のフラップを閉じ緑間は再度、高尾に問いかける。
高尾はそうだったと、慌てて答える。
「にしても、なんで声かけてくれたんだよ?」
確かに黒子のメールには人数がある程度欲しいので、誰かいれば誘ってくださいとある。
だからといって、高尾に声を掛けなければいけないわけではない。緑間一人で行ったところで問題はない。
「決まっている。向かうのに自転車を漕ぐ人間が必要だろう」
「げっ、まさか真ちゃん……」
高尾の脳裏に嫌な未来予想図が描かれる。
「リアカーで行くに決まっているのだよ」
「……ですよねぇ」
さも当然であるかのような緑間の言葉に高尾は脱力しつつ自分に声を掛けてくれたことに喜びを感じていた。
高尾を誘う口実にリアカーを使っていたとしても、自分と緑間の間を縮めてくれたのもまたリアカーなのだから。
「んじゃ、その時間に真ちゃん家の前に行くからちゃんと時間通りに出てきてくれよ」
「わかっているのだよ」
* * *
「で、それはなに?」
「今日のラッキーアイテムなのだよ」
家から出てきた緑間の腕には大きな皇帝ペンギンのぬいぐるみがあった。
高尾の開口一番の言葉に、なにを今更と緑間は答える。
「……皇帝ペンギンが?」
「今日のラッキーアイテムは、ペンギンのぬいぐるみなのだよ」
「だったら、もっと小さくても良くね? 皇帝ペンギンにする必要性がまったく感じないんですけどぉ」
「何を言っているのだ。ペンギンの中で一番大きい種類は皇帝ペンギンなのだよ」
大方、ペンギンの中で一番大きいペンギン、しかも名前に『皇帝』が付いていれば万全の万全。人事を尽くしまくっていると考えたに違いないと、高尾は想像した。
しかもそれは十中八九外れてない。
「じゃあ、じゃんけんするぜ。今日こそ勝ってやるぜっ」
けれども、やはり高尾は緑間に勝てるわけもなく、今日も自転車を漕ぐことになった。
「なんで、真ちゃんサングラス?」
リアカーに乗った緑間がおもむろに取り出したものに高尾は笑いを堪えながら問いかける。
「日差しが眩しいからに決まっているのだよ」
「へ、へぇ……くくっ」
「いいから、早く行くのだよ」
「へいへい」
緑間の言葉に高尾は軽く返事をして、自転車に跨り漕ぎ始める。
このリアカー付きの自転車に慣れてはきたが、スピードは普通の自転車に比べてしまうと極端に落ちる。心していかないと、待ち合わせの時間に遅れてしまう。
高尾は目つきを変えて自転車を漕ぐことに専念することにした。
けれども、緑間のペンギンのぬいぐるみのせいか、今日は子供達の反応が大きかった。
「ペンギンだよー」
無邪気な子供の声がしたと思えばリアカーの横を子供が数人走っている。
「ホントだ、ペンギンさん」
高尾は子供が付いてこれない早さで漕ぎたいのだが、これが限界だった。
この状況に高尾の心境としては勘弁してくれという感じだった。
さっさと次の信号待ちでじゃんけんしたいのだが、見る限りしばらく信号機の姿はなく高尾は自分の運勢を呪いながら自転車を漕ぎ続けた。
結局、目的地まで高尾が漕ぎ続けることになった。
ようやくたどり着いたはいいが、高尾は疲労で自転車から降りることもせずぐったりしてしまった。
「お疲れさん。今、飲み物出すから」
頭上から聞き慣れない声が聞こえるが高尾は返事をすることも出来ず、顔も上げられないままだった
声を掛けてくれた人物は、誰かに声を掛けていた。
「桜井……だっけ? ドリンク一つ出してもらえるか?」
「は、はい。すいませんっ」
高尾がグロッキーになっている間、どうやら遅れていたらしい人物も到着していたり、なにやら火神の驚く声が聞こえたりしていたが、顔を上げる気力はまだ戻らなかった。
「ほら、これでも飲んで」
「ういーっす」
再び掛けられた声に顔を上げれば、そこには誠凛の伊月がドリンク片手に高尾の前にいた。
「伊月さん?」
ドリンクを受け取りながら、試合ではマッチアップしたりしていたのに、声に全然気付かなかった。
それほどに疲弊していたという事なのだが、高尾はもらったドリンクを飲みながら周りを見渡した。
どうやら遅れていたのは青峰と木吉だったようで、桃井と日向が二人を怒っている。そして、火神の驚く声はというと、黒子が手にしている犬に驚いているようだった。その様子から、火神は犬が苦手なようで慌てて離れている。
そしてうちのエース様はというと、リアカーから降りて仁王立ちだ。
後ろを振り返ればリアカーにはペンギンだけがおり、そのペンギンを笠松が不思議そうに見つめている。
「なんや、大変なもんで来たんやなぁ」
高尾の姿に桐皇の今吉は感心していた。
改めて見る面子に高尾はよくこれだけのメンバーが揃ったなと思いながら再びドリンクを飲んだ。
「ありがとうございます」
「いや、用意してきてくれたのは桜井みたいだから」
「す、すいませんっ」
ドリンクのお礼を伊月に向けて言うと、俺じゃなくあっちに言ってとクーラーボックスを持つ桜井を指さすが、桜井は何故か謝り倒してくるので高尾は別に謝る所じゃないと言うが、さらに謝ってくるので言うことを諦めた。
そして、ふとこのままここに自転車とリアカーを置いておくのは邪魔なので移動させようと動かそうとして、後ろにあるものに気付く。
「真ちゃん。これ向こうに置いてくるけど、ペンギンどうする?」
「肌身離さずにしないと意味がないのだよ」
「じゃあ、ちゃんと持ってて」
再びペンギンが緑間の腕の中に戻る。
高尾はそれを確認してリアカーを駐輪場へ移動させた。
今日は一日すごいことになりそうだ。
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のんびりまったり、同人活動している人間です。
【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。
作者及び出版社等は一切関係御座いません。自己責任で閲覧ください。
※無断転載禁止※
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