pixiv⇒とある選手たちの休日 【黒子×伊月】
差し替えEDからのお話・第2弾。
今度はメンバー集まってくじ引き場面。
黄瀬くんには伊月先輩と交換する頭がなかったのかなぁとも思ったのですが、そうなったら黒子っちが絶対阻止したんだろうなぁ。「絶交です」とか言って伊月先輩と同じチームを死守したに違いないと勝手に思ってます。
差し替えEDからのお話・第2弾。
今度はメンバー集まってくじ引き場面。
黄瀬くんには伊月先輩と交換する頭がなかったのかなぁとも思ったのですが、そうなったら黒子っちが絶対阻止したんだろうなぁ。「絶交です」とか言って伊月先輩と同じチームを死守したに違いないと勝手に思ってます。
+ + + + + + + + + +
「緑間っち! それ交換して欲しいッス!」
「ぎゃっ! なんだよーっ」
大きな声が上がった方を見れば、黄瀬が緑間のチーム分けのクジを交換してとお願いしているようだった。
けれどもちょうど間にいた高尾が巻き添えをくらってしまったらしく、黄瀬と緑間(ペンギン)の板挟みにあっていた。
伊月はそれを見ながら、どうやら黒子が引いた色が緑間と一緒だったのだろうと予想した。
「何の騒ぎだ?」
伊月よりも先にクジを引き終えた日向が伊月に問いかける。伊月は日向の手にしている色を見て、黄瀬の手にあるモノを示す。
「黄瀬と同じみたいだけど、なんか緑間と交換しそうだよ」
「何で?」
「黒子が緑間と同じ色を引いてるみたい」
「ああ?」
日向はなんだその理由はとあきれているが、クジを引く前から黄瀬は黒子と同じチームがいいと言っていたのを聞いていたので伊月は何となく誰かと交換してくれと黄瀬が言うのではないかと予想していた。
けれど実際その予想が当たると複雑だ。
「伊月くーん、引いてー」
リコの声に伊月は日向に言ってくると告げて引きに行く。そして引いた色に固まった。
「緑……」
これは確か先ほど黄瀬が交換してくれと緑間に懇願していた色だったはずと、渦中の集団を見る。まだ、なにかやっているようで黄瀬と緑間が話している。
「伊月くん。これ、黒子くんと……決まった方に渡して」
リコも黄瀬と緑間とのやり取りが聞こえていたのだろう、半分呆れながら緑色のゼッケンを手渡す。
伊月はそれを受け取り騒ぎの方へと向かった。伊月が近づいたのに気付いたのは騒ぎの原因の一端である黒子だった。
「伊月先輩」
「よっ。決まりそうか?」
黒子は伊月の持っているゼッケンの色で、伊月も黒子と同じ緑色のクジを引いたんだと察したようだった。
「一緒、なんですね」
黒子が少し嬉しそうに伊月に確認する。伊月もよろしくなと明るく声を掛ける。
ゼッケンを黒子に渡しながら二人の様子を黒子と見つめる。
「やった! 緑間っち、ありがとー」
「うるさいのだよ。さっさと離れろっ」
ようやく決着がついたようだった。黄瀬の懇願に緑間が結局折れたようだった。
黄瀬の手には緑間の手にあった緑色のクジ、緑間の手には赤色のクジがあった。
「ほら、緑間ー。決まったならこっち来い」
ようやくチームが決まった緑間に日向か声を掛ける。日向の手にも伊月同様にゼッケンがあった。
「じゃあ、黄瀬もこれな」
「あ、はい」
黄瀬は気合十分に伊月から受け取り、ゼッケンを着る。
「さあ、やるッスよー」
嬉しそうな黄瀬に伊月は苦笑しつつもストレッチを開始した。黒子もストレッチを始める。
「それにしても黄瀬君」
「なんッスか?」
「良かったんですか? 青峰君と一緒じゃなくて」
黒子の問いに黄瀬は少し間をあけて、いつものトーンではなく静かに答えた。
「青峰っちとは、同じチームじゃなくて、やっぱ対戦したいんッスよ」
「そうなんですか?」
「そうなんすよ」
黄瀬はそう言い、火神といがみ合っている青峰を見る。その姿に伊月は黄瀬の青峰に対する気持ちの中に憧れだけではないものを見つける。
それを黒子も知っているようだった。切ない思いを抱えるというのは痛い。
そういうものを自分も黒子に抱かせてしまっているのだろうかと伊月は考えてしまう。
「伊月先輩?」
急に黙り込んでしまった伊月に黒子は声を掛ける。すると、いつの間にか二号まで足元にいて伊月は思わず笑ってしまった。
「黒子っちに伊月さん。あれ、あれ」
黄瀬が黒子と伊月に向けて笑みを浮かべながらも小さく声を掛ける。黒子と伊月は黄瀬の示す方を見ると、そこには日向、緑間、今吉の三人からなる赤チームなのだが、黄瀬はもう耐えられず笑いをこぼす。
「もう、堪え切れないッス」
「……眼鏡」
黒子も黄瀬の笑いがわかったらしく指で眼鏡の形を作って伊月に教える。そして、三人して眼鏡のレンズを拭きだしたところで伊月もその共通点に合点がいき笑いが込み上げる。
「くくくっ」
「ははっ、もうダメ……」
黄瀬が緑間と変わったことで、見事眼鏡チームが完成した。その偶然と、三人の仕草に黒子、伊月、黄瀬は笑いが止まらなかった。
そして笑いが止まらなかった人物がもう一人。
「はははっ! 真ちゃんッ」
高尾が緑間を指さし大きく笑っていた。
「わんっ」
足元にいた二号が笑い続ける三人に気付いてくれとばかりに一回吠えた。
「二号」
伊月は悪かったと二号を抱き上げ黒子の頭に乗っける。
「伊月先輩。なんで?」
「定位置だろ」
なあ、二号とテツヤ二号に声を掛けると二号は肯定するように吠える。
「改めて見るとホントに突っ込みどころが満載の犬ッスよね」
「黒子と似てるだろ?」
「確かに、この目なんかなんとも言えず」
「そうそう。だから誠凛全員愛着が湧いちゃって、二号なんて名付けてさ」
伊月は微笑んで二号を見つめる。その微笑に黒子は目を奪われた。
「思えばこの三人でゲームを進めるんだよな……」
ふと思い出した伊月はぶつぶつ言いながら三人での試合運びを考え始める。
その姿に、かれはPG(ポイントガード)なんだと思う。
「そういえば、伊月さんって、もう一つ目があるんスよね?」
「視点を瞬時に切り替えて、俯瞰でコートを見ることができるんです」
黒子は良く知ってますねと黄瀬に言うと、黄瀬は聞いたんッスよとストレッチしている笠松を示す。
「笠松さんが言ってたんッス」
「そうだったんですか。伊月先輩が聞いたら喜びそうです」
笠松ほどの全国区のPGから、気にかけてもらえるチェックしてもらえるというのは選手として嬉しいことだろう。
「だから、黒子っちもちゃんと見えてるんスね」
何試合か観戦していて、黒子へのパスの正確性は確かなものだ。ともすれば味方に出さえ気付かれないようにする黒子のミスディレクションを把握している。
それは笠松も一目置くはずだ。
「まあ、黒子っちはそれだけじゃないッスよね」
伊月と黒子のやり取りを見ていて黄瀬は黒子の伊月への思いに気付かないわけがない。
けれどもそれを素直に打ち明ける黒子でもなく、黄瀬の言葉に無言でいる。
そして当の本人、伊月は頭の中でシュミレーションをしているようで二人の会話を聞いていない。
「黄瀬は、オールラウンダーだよな。3P(スリー)は?」
「打てなくはないッスけど」
そういえばと、黄瀬をスコアラーとして試合を運ぼうと考えているようでその際考えられるであろう試合展開を確認している。
「大変そうッスね」
「だけど、伊月先輩はこれでいいんです」
自分へ向けられている好意に気付かない。これでは思い続けている方は大変だと黄瀬は黒子に言うが黒子はそれで構わないという。
黄瀬はそういうもんなんスかねぇと思いながら黒子の頭にいる二号を見る。見れば見つめ返される。見れば見るほど黒子と目がそっくりだ。
「この子って、お手とかするんスか?」
「させたことないです」
練習したら出来るようになるんじゃないかと、黄瀬が黒子の頭から二号を降ろして抱きかかえる。そして、黒子に向けて二号の手を掴んでお手の動作をする。
「なにやってるんだ?」
黄瀬と黒子が二号でお手の練習をしているのに気付いて伊月が声を掛ける。
「お手なんて出来るのか?」
二号は自由にバスケ部にいるのでお手とかそういった芸は教えてなかった。
「こういうのはやってみなきゃ、わかんないッスよー」
三人の微笑ましい光景は試合が開始されるまで続いていた。
試合開始はもうすぐ。
「ぎゃっ! なんだよーっ」
大きな声が上がった方を見れば、黄瀬が緑間のチーム分けのクジを交換してとお願いしているようだった。
けれどもちょうど間にいた高尾が巻き添えをくらってしまったらしく、黄瀬と緑間(ペンギン)の板挟みにあっていた。
伊月はそれを見ながら、どうやら黒子が引いた色が緑間と一緒だったのだろうと予想した。
「何の騒ぎだ?」
伊月よりも先にクジを引き終えた日向が伊月に問いかける。伊月は日向の手にしている色を見て、黄瀬の手にあるモノを示す。
「黄瀬と同じみたいだけど、なんか緑間と交換しそうだよ」
「何で?」
「黒子が緑間と同じ色を引いてるみたい」
「ああ?」
日向はなんだその理由はとあきれているが、クジを引く前から黄瀬は黒子と同じチームがいいと言っていたのを聞いていたので伊月は何となく誰かと交換してくれと黄瀬が言うのではないかと予想していた。
けれど実際その予想が当たると複雑だ。
「伊月くーん、引いてー」
リコの声に伊月は日向に言ってくると告げて引きに行く。そして引いた色に固まった。
「緑……」
これは確か先ほど黄瀬が交換してくれと緑間に懇願していた色だったはずと、渦中の集団を見る。まだ、なにかやっているようで黄瀬と緑間が話している。
「伊月くん。これ、黒子くんと……決まった方に渡して」
リコも黄瀬と緑間とのやり取りが聞こえていたのだろう、半分呆れながら緑色のゼッケンを手渡す。
伊月はそれを受け取り騒ぎの方へと向かった。伊月が近づいたのに気付いたのは騒ぎの原因の一端である黒子だった。
「伊月先輩」
「よっ。決まりそうか?」
黒子は伊月の持っているゼッケンの色で、伊月も黒子と同じ緑色のクジを引いたんだと察したようだった。
「一緒、なんですね」
黒子が少し嬉しそうに伊月に確認する。伊月もよろしくなと明るく声を掛ける。
ゼッケンを黒子に渡しながら二人の様子を黒子と見つめる。
「やった! 緑間っち、ありがとー」
「うるさいのだよ。さっさと離れろっ」
ようやく決着がついたようだった。黄瀬の懇願に緑間が結局折れたようだった。
黄瀬の手には緑間の手にあった緑色のクジ、緑間の手には赤色のクジがあった。
「ほら、緑間ー。決まったならこっち来い」
ようやくチームが決まった緑間に日向か声を掛ける。日向の手にも伊月同様にゼッケンがあった。
「じゃあ、黄瀬もこれな」
「あ、はい」
黄瀬は気合十分に伊月から受け取り、ゼッケンを着る。
「さあ、やるッスよー」
嬉しそうな黄瀬に伊月は苦笑しつつもストレッチを開始した。黒子もストレッチを始める。
「それにしても黄瀬君」
「なんッスか?」
「良かったんですか? 青峰君と一緒じゃなくて」
黒子の問いに黄瀬は少し間をあけて、いつものトーンではなく静かに答えた。
「青峰っちとは、同じチームじゃなくて、やっぱ対戦したいんッスよ」
「そうなんですか?」
「そうなんすよ」
黄瀬はそう言い、火神といがみ合っている青峰を見る。その姿に伊月は黄瀬の青峰に対する気持ちの中に憧れだけではないものを見つける。
それを黒子も知っているようだった。切ない思いを抱えるというのは痛い。
そういうものを自分も黒子に抱かせてしまっているのだろうかと伊月は考えてしまう。
「伊月先輩?」
急に黙り込んでしまった伊月に黒子は声を掛ける。すると、いつの間にか二号まで足元にいて伊月は思わず笑ってしまった。
「黒子っちに伊月さん。あれ、あれ」
黄瀬が黒子と伊月に向けて笑みを浮かべながらも小さく声を掛ける。黒子と伊月は黄瀬の示す方を見ると、そこには日向、緑間、今吉の三人からなる赤チームなのだが、黄瀬はもう耐えられず笑いをこぼす。
「もう、堪え切れないッス」
「……眼鏡」
黒子も黄瀬の笑いがわかったらしく指で眼鏡の形を作って伊月に教える。そして、三人して眼鏡のレンズを拭きだしたところで伊月もその共通点に合点がいき笑いが込み上げる。
「くくくっ」
「ははっ、もうダメ……」
黄瀬が緑間と変わったことで、見事眼鏡チームが完成した。その偶然と、三人の仕草に黒子、伊月、黄瀬は笑いが止まらなかった。
そして笑いが止まらなかった人物がもう一人。
「はははっ! 真ちゃんッ」
高尾が緑間を指さし大きく笑っていた。
「わんっ」
足元にいた二号が笑い続ける三人に気付いてくれとばかりに一回吠えた。
「二号」
伊月は悪かったと二号を抱き上げ黒子の頭に乗っける。
「伊月先輩。なんで?」
「定位置だろ」
なあ、二号とテツヤ二号に声を掛けると二号は肯定するように吠える。
「改めて見るとホントに突っ込みどころが満載の犬ッスよね」
「黒子と似てるだろ?」
「確かに、この目なんかなんとも言えず」
「そうそう。だから誠凛全員愛着が湧いちゃって、二号なんて名付けてさ」
伊月は微笑んで二号を見つめる。その微笑に黒子は目を奪われた。
「思えばこの三人でゲームを進めるんだよな……」
ふと思い出した伊月はぶつぶつ言いながら三人での試合運びを考え始める。
その姿に、かれはPG(ポイントガード)なんだと思う。
「そういえば、伊月さんって、もう一つ目があるんスよね?」
「視点を瞬時に切り替えて、俯瞰でコートを見ることができるんです」
黒子は良く知ってますねと黄瀬に言うと、黄瀬は聞いたんッスよとストレッチしている笠松を示す。
「笠松さんが言ってたんッス」
「そうだったんですか。伊月先輩が聞いたら喜びそうです」
笠松ほどの全国区のPGから、気にかけてもらえるチェックしてもらえるというのは選手として嬉しいことだろう。
「だから、黒子っちもちゃんと見えてるんスね」
何試合か観戦していて、黒子へのパスの正確性は確かなものだ。ともすれば味方に出さえ気付かれないようにする黒子のミスディレクションを把握している。
それは笠松も一目置くはずだ。
「まあ、黒子っちはそれだけじゃないッスよね」
伊月と黒子のやり取りを見ていて黄瀬は黒子の伊月への思いに気付かないわけがない。
けれどもそれを素直に打ち明ける黒子でもなく、黄瀬の言葉に無言でいる。
そして当の本人、伊月は頭の中でシュミレーションをしているようで二人の会話を聞いていない。
「黄瀬は、オールラウンダーだよな。3P(スリー)は?」
「打てなくはないッスけど」
そういえばと、黄瀬をスコアラーとして試合を運ぼうと考えているようでその際考えられるであろう試合展開を確認している。
「大変そうッスね」
「だけど、伊月先輩はこれでいいんです」
自分へ向けられている好意に気付かない。これでは思い続けている方は大変だと黄瀬は黒子に言うが黒子はそれで構わないという。
黄瀬はそういうもんなんスかねぇと思いながら黒子の頭にいる二号を見る。見れば見つめ返される。見れば見るほど黒子と目がそっくりだ。
「この子って、お手とかするんスか?」
「させたことないです」
練習したら出来るようになるんじゃないかと、黄瀬が黒子の頭から二号を降ろして抱きかかえる。そして、黒子に向けて二号の手を掴んでお手の動作をする。
「なにやってるんだ?」
黄瀬と黒子が二号でお手の練習をしているのに気付いて伊月が声を掛ける。
「お手なんて出来るのか?」
二号は自由にバスケ部にいるのでお手とかそういった芸は教えてなかった。
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のんびりまったり、同人活動している人間です。
【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。
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