pixiv⇒はじまりのとき 【高尾×緑間】
コミックス&アニメを見ていて、ついに重い腰を上げてしまって書いた、初「黒子のバスケ」になります。
WJ180Qを読んで高尾と緑間の始まりはこうだったんだろうなと勢いだけで書いてしまいました。
きっとここから二人の距離が縮まっていったんだという妄想になります。
まだまだ高緑というには薄いかもしれません。
コミックス&アニメを見ていて、ついに重い腰を上げてしまって書いた、初「黒子のバスケ」になります。
WJ180Qを読んで高尾と緑間の始まりはこうだったんだろうなと勢いだけで書いてしまいました。
きっとここから二人の距離が縮まっていったんだという妄想になります。
まだまだ高緑というには薄いかもしれません。
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秀徳高校バスケ部。
体育館での練習時間の終了を告げる監督の声が響き片付けを一年が始める。
それを横目に緑間は一人大量にあるバスケットボールの片付けを始めた。高尾はそれを確認しながら床をモップで清掃する。
高尾はその意図を知っている。
片付けた後、居残り練習で使用する為だ。
もちろん自身も残って練習するが、緑間のあの練習量はすごいと高尾は改めて思う。
〝キセキの世代〟と呼ばれ、身体能力も運動能力もずば抜けている。
以前は別の学校で試合会場でしか目にすることが出来なかった。こうして一緒に練習するようになって益々その能力差が感じられていた。
けれどもそれ以上に高尾は緑間に対しての価値観を変えていた。
秀徳高校バスケ部の練習量は半端ではない。体は疲弊し、休息を求めている。
レギュラー入りしている先輩たちも居残り練習をやったりやらなかったり、日ごと面子は変わる。
けれども緑間は違った。
ほぼ毎日、練習し終えた後に居残り練習をする。その合図となるのがこの片付けだった。
ああやって、使用したボールを集めて籠にいれていく。数は相当な量なのだが黙々と回収していく。
そしてそれを倉庫へは仕舞わずにコートの中央部分へと持っていく。
それが緑間の居残り練習のサイン。
高尾はそれを確認し、床清掃を終えてモップを片付けた後、ボールを一つ拝借しドリブル、シュートを繰り返す。
シュートも色々な試合を想定し、レイアップにジャンプシュート。そして的確なボールコントロール。
こうして残るようになって緑間の練習を見るようになって、彼は決して才能だけの選手ではないと確信した。
緑間真太郎は努力の人だ。
〝人事を尽くして天命を待つ〟その人事を尽くしまくっている。
なら、そこに負けないように高尾自身も人事を尽くすまでだ。
先日、『思わずうなるような、パスしてやっから』と豪語してしまったのだから尽くすほかない。
「高尾」
「んあ?」
居残り練習を始めて数刻、シュートを打ち続けていた緑間が高尾に声をかけた。
ドリブルしていた手を止めて高尾は緑間を見た。
「どうした、真ちゃん?」
「だから、その呼び方はやめろと言っているのだよ」
「なんでぇ、呼びやすいしいいじゃん」
眼鏡を掛け上げながら緑間が高尾に告げる。
高尾は肩を上げて笑みをこぼして緑間に返すと、緑間の眉が動く。
「まあ、いい」
緑間はそのことを言いたいのではないと一度言葉を切り高尾に向き直る。
「お前は他の日も残っているのか?」
「……この前言ったっしょ?」
『オレはただお前より練習するって、自分で決めた事やってるだけだ』
我ながら恥ずかしい告白と宣言。
それを再び蒸し返すのかと高尾は緑間を見る。
「それは、わかっているのだよ。だから残っているのかと聞いている」
「まあ。部室にいない時、あったっしょ?」
「……」
「って、気にも留めてなかった?」
緑間の沈黙に高尾は脱力する。
たぶん、そうだろうなという気はしていたがと肩を落としながらもしょうがないと頭を切り替えた。
「でも、そういう事を聞いてきたあたり、オレの事少しは気にしてくれてる?」
高尾は笑みを浮かべて聞けば緑間は横を向いてしまった。
「そんなはずはないのだよ。それに、〝まだ認めるな〟と言ったのはお前だ、高尾」
そう言い、緑間はシュートの練習を始めた。
高尾は気づいている。
緑間はあの一件以来、毎日残って練習していることを。
気にしていないと、言いつつも片付けるタイミングで高尾の様子を見ている。
今まで高尾がやっていたことだ。
それを緑間が高尾に向けてしてくれるようになったことは大きな一歩だ。
だからここで、一つ告白しようと高尾は口を開いた。
「なあ、真ちゃん」
「……」
「オレは、気にしてた。真ちゃんは気づいてなかっただろうけど、入学式に姿を見てから」
「……っ」
緑間はシュートのモーションには入らず、ボールを手にしたまま止まった。
視線は高尾に向けられる。
その目は入学式から自分のことに気づいていた高尾に少し驚いているようだった。
「真ちゃん、高校一年でその身長は目立つって。まして、バスケをしてた人間なら気づかないわけないっしょ」
「……」
「〝緑間真太郎〟がどういう生活スタイルなのか、どんな練習するのかすげー気になった。だから一緒に居残りしてたのはそれを見てたってのもある」
高尾はそこまで言って緑間へ向き直る。
「見ててその実力ってのは本当なんだって、素直に思えた。そして負けてらんねぇって思うっしょ、普通。だから、オレは真ちゃんより練習する。そう決めた」
「……そうか、なら好きにしろ」
緑間はそう言い、シュート練習を再開させた。
高尾もそれを見て練習を再開させた。
高尾の心の中にあるもう一つの緑間への思い。
それはまだ、緑間に告げてはいない。
入学式に気付いたのは、中学時代に対戦して悔しかったという事だけじゃない。
目を奪われたのだ。
中学の時に見た時以上に、緑間は綺麗だった。
桜の花びらの舞う中、背筋を正し歩く姿に高尾は視線とともに心も奪われた。
けれど、どうも鈍感らしい緑間にはまだ早い。
ようやくこうして一緒に残って練習できるようになった。
もう少し、もう少しまだまだ一歩に過ぎない。
その内、横にいることが当たり前になるようになってやる。
バスケでも学校でも、そして生活も。
高尾は心に決めて緑間へ向けて視線を投げた。
「覚悟しとけよ、真ちゃん」
小さくつぶやいた声は高尾のするドリブルの音に消され、緑間に聞こえることはなかった。
二人の物語はまだ始まったばかり――……
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のんびりまったり、同人活動している人間です。
【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。
作者及び出版社等は一切関係御座いません。自己責任で閲覧ください。
※無断転載禁止※
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