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Pixiv ⇒ たとえばこんな偶然

伊月先輩と森山先輩と宮地先輩が昔知り合いだったという妄想です。
短すぎますが始まりの序章のような感じです。いずれ綺麗に書き直せたら書き直します。

■WJの公式森月に歓喜したのは私だけではないよね? 久々にテンション上がった……!
    

+ + + + + + + + + +
兄の様に慕った人が伊月には二人いる。
小学校以降、会うことはなかったが、今でもバスケを続けているのは、続けていればいつかどこかで会えるかもしれないという淡い期待が少なからずあったからなのかもしれない。


高校二年の春にカントクである相田リコがセッティングした練習試合は神奈川県の強豪校、海常高校とのものだった。
IH・WC共に出場常連の高校に、部員の士気は少なからず上がった。
そして、今年の海常高校はキセキの世代である黄瀬涼太を獲得している。実際にキセキの世代と試合が出来るというのもあり、試合当日まで練習は白熱したものだった。
練習試合の結果はブザービーターで誠凛が勝利という形だった。
着替えを済まして、海常を後にしようとした時だった。

「ちょっと待った」

掛けられた声に誠凛全員で振り返った。
そこには先ほど練習試合に出場していた海常高校のバスケ部員だった。
ポジションは日向と同じSG。
名前までは覚えておらず、全員でなんだろうと固唾を飲んで言葉を待った。

「あ、いたいた。お前、俊だろ?」

伊月の姿を見つけ、名前を呼んだ人物に驚いたのは伊月自身だった。
全員が伊月を見つめ知り合いだったのかと問い詰める。

「あれ、違った?」

伊月の反応に声を掛けてきた人物は首を捻って、人違いだったなら悪かったと言って立ち去ろうとする。

「いえ、違わないです……けど、すいません」
「もしかして、わかってない? 森山、森山由孝」
「あっ!」

伊月は聞いた名前に驚き声を上げる。
懐かしい名前に伊月は思わず森山に近づいた。

「ホントに由孝兄?」
「やっぱり、俊だった。久しぶり」

小学校の頃、近所に住んでいた一つ年上の兄の様な人。
一緒にミニバスケのチームに所属して、いつも一緒にいた。けれど、森山が中学に上がる時に、神奈川に引っ越してしまって、それきりだった。
まさか海常高校に進んで、そこれレギュラーとしてプレーしていたとは思いもよらなかった。

「はじめは違うかなって思ったんだけどさ。チームの子が伊月って呼んでて、確信したんだ」
「俺、全然気づかなかった。由孝兄、身長伸び過ぎだよ」

小学校の頃はそこまでの身長差はなかったのに、今は見上げるほどだった。

「帰るところ悪かった。これも何かの縁だし、メルアド交換しようと思って声掛けたんだ」
「ホントに?」

伊月は笑顔で携帯を取り出し、森山とアドレス交換をした。
一連のやり取りを終え、森山と別れると部員全員からの痛いほどの視線を感じた。

「知り合いだったのか?」
「あ……と、小学校の頃、近所に住んでて一緒のミニバスチームに所属してたんだよ」

小学校以来会ってなくて、気付かなかったんだよと、伊月が説明すると全員が納得しなんて奴と知り合いなんだと話し出す。
伊月自身驚いた。
まさか、こんなところで再会出来るなんて思ってもいなかった。すこんな偶然もあるんだと思いながら携帯を握りしめる。
憧れていた近所のお兄ちゃん。森山由孝は伊月にとって特別な存在だった。


 * * *


夏の海合宿で秀徳高校と同じ宿に泊まることになった。
その関係で合同練習をすることとなって、伊月は聞いたことのある名前を耳にした。

「宮地サン、ちょっと待ってください!」

――宮地……?

懐かしい名前を思い出させる苗字に伊月は顔を上げて姿を確認する。
IH予選で試合に出ていたSFだった。
まさか、そんな偶然などありはしないと、伊月はストレッチを再開させた。

「伊月ー」

小金井に名前を呼ばれ伊月は立ち上がり、歩き出す。
その伊月の姿を見つめる視線には気付かなかった。



「十分休憩!」

両校全員が水分補給に走る。伊月も用意してあったスポーツドリンクを口に含む。
流れる汗を拭う為、タオルを手に取り一息ついていると、秀徳の選手の一人が伊月の前に立った。

「おい。お前、伊月俊か?」
「はい……って、やっぱり清志兄?」

先程、聞いた懐かしい名前はやはり伊月の知っている人のものだった。

「やっぱりって」
「さっき、宮地って名前を聞いて、まさかとは思ったんですけど」

こんな偶然があるなんてと伊月が笑う。

「でも、由孝兄もだけど清志兄も身長伸び過ぎ」
「由孝って、森山に会ったのか? って、ああ。練習試合したんだったな」
「清志兄は、由孝兄が海常に行ってたの知ってたの?」
「そりゃ、アイツは去年もレギュラーでIHとか試合出てただろ、会場で見たからな」
「そっか」

宮地清志は伊月が森山と所属していたミニバスのチームに居た人物だ。
学区が違ったので、学校は違っていたがよく三人で練習したり遊んだりしていた。
伊月にとってもう一人、兄の様に慕っていた人。

「お互い、頑張ろうぜ」

宮地はそう言い、伊月の頭を撫で自身の荷物が置いてある場所へ戻っていった。

「おい、伊月。秀徳のSFと知り合いなの?」
「ああ。同じミニバスのチームだったんだ」
「にしては、親しげだな」

一番仲良かったからと、問いかけてくる小金井にこたえる。

「なんか、この間の海常の時といい、すごい人と知り合いだよな」
「俺自身驚いてるよ」

小金井に指摘されずとも、伊月自身が驚いていた。
かつて一緒にチームでプレーして、兄の様に慕っていた人が強豪校でレギュラーで活躍しているのだから。
嬉しくもあり、自分ももっと頑張らなければと思わずにはいられない。
伊月は気合いを入れなおした。




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自己紹介:
のんびりまったり、同人活動している人間です。

【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。

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