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年の差パロ(社会人・森山×大学生・伊月)




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事の発端は森山由孝が酔ったまま呟いた一言だった。


「俊も裸エプロン、やればいいのにー」

伊月俊は玄関で途方に暮れていた。
今日は歓送迎会も兼ねた飲み会があるから遅くなるという話を聞いていたので森山が酔って帰ってくるのはわかっていた。だから玄関で扉を開ける音がしたので、出迎えようと出ていった。案の定、酔っている森山は伊月の姿を視界に入れると靴を脱ぎ捨て飛びついてきた。
その行為自体は別段問題ではない。問題だったのはその後抱きついて呟いた一言だった。ご丁寧に抱きついてくれたおかげで耳元ではっきりと聞こえた。

『俊も裸エプロン、やればいいのにー』

そしてそれを呟いたきり、事切れて眠ってしまった森山を抱きしめたまま伊月は玄関で途方に暮れていた。

――裸、エプロン……

単語だけは色々な場面で聞いたことがあるのでどういったものかわかる。
そして、恋人にそれをやってもらいたいという男の願望も知っている。森山もそういった願望を持っていたということなのは、わかった。
けれど問題なのはそこではない。

『俊も裸エプロン、やればいいのにー』

――俊も……

その言い方に問題があった。『俊も』ということは、森山は誰か別の人の裸エプロンを見たという事なのだろう。一体何処で誰のを見たのだろうか。伊月は森山を抱きしめたまま考え込んでしまった。
森山由孝と伊月俊は恋人同士で同居している。
伊月はもうすぐ二十歳になる大学三年生、森山はその六歳年上の社会人。伊月が大学に入学するのを期に同居を初めて今年で三年目になる。
元々近所の幼なじみでもある二人は小さな頃から仲が良く今回の同居の話も通勤通学上便がいいという理由の元、両親の理解は得たものとなっている。
とはいえ、同居しているといっても森山が社会人という身分もあってか、一緒に過ごせる時間は限られていて、残業や休日出勤などが頻繁に入ってしまうと朝晩だけということは珍しくない。
それでも、一緒に寝たり朝食を食べたりという時間が持てるのは同居しているからこそだと思っている。だから伊月は大学の講義が午前中にない日でも森山と一緒に起きて朝ご飯を一緒に取るようにしたり、可能な限り夜も起きて出迎えられるようにしていた。
仕事でこれ以上、無理の出来ない森山の代わりに伊月が一緒にいられるように時間を工面していた。
翌日の朝もいつも通り起きて二人分の朝食を作っていた。けれど頭にあるのは昨晩の森山の発言だった。

「おはよう、俊」

寝室から欠伸をしながら出てきた森山に伊月は顔を上げる。

「おはよう、由孝さん」

森山の表情が優れないのに気づき、伊月は手元を止める。

「大丈夫? 二日酔い?」
「ん、ごめん。オレ、昨日遅かった?」
「……覚えて、ない?」
「飲み会がお開きになって店を出たあたりまでは、なんとか覚えてるんだけどその後がなぁ……」

頭が痛いのか手で押さえている森山に伊月は用意した水を差し出す。

「帰ってくるなり、玄関で寝ちゃったんだよ」
「ホントに? うわぁ……まったく覚えてないわ」

伊月から手渡された水を飲んで記憶を手繰り寄せるが何も思い出せないのか寝室まで運んだ伊月に感謝する。

「シャワーでも浴びてすっきりしてきなよ。出てくる頃にはご飯も出来上がるから」
「ありがと」

森山はそう言って伊月の額にキスをした。その流れるような動きに伊月は森山から渡されたコップを落としそうになった。森山の中では昨日の発言は覚えていないものらしいとわかり伊月は大きく息を吐いた。
森山が昨晩のことを覚えていないとなると、直接聞くに聞けなくなったなぁと思いながらキッチンへと戻り朝食の準備を再開させた。




「二日酔いなんて久々だ」

森山は伊月の作ったお味噌汁を啜りながら自己嫌悪に陥っていた。

「気持ち悪い?」

向かい側にいた伊月がお茶碗を持ちながら首を傾げて尋ねる。

「いや、頭痛いだけだから平気」
「ホント?」
「ホントホント。じゃなきゃ、こんな美味しいご飯食べれないよ」
「それなら、いいんだけど。無理しないでね」

食は進んでいるので嘘ではないんだろうと思いながらご飯を口へ運ぶ。

「そうだ、言い忘れないうちに。明後日から二日間名古屋に出張だから、留守にするからね」
「今度は名古屋なんだ。ホントに忙しいね」
「ホントは行きたくないんだけどね、オレだけ行かないわけにはいかないし」

俊のご飯食べれないのが嫌なんだよなぁと言い、ご飯を食べる。

「それは嬉しいし、留守なのは寂しいけど、お仕事ならしょうがないよ」

伊月は笑顔で続ける。最近の森山は本当に忙しいようで、先日は九州の方へ三日間出張に行ってきたばかりだ。こうして行きたくないと口にしてくれるだけ嬉しいと思いながらお味噌汁を飲んだ。

「それじゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい、気をつけて」

朝食を取り、森山は身支度を整えると会社に向かった。伊月はその背中を見送り、息を吐いた。

「覚えてないなんて、ずるいよ」

伊月の呟きは誰に聞こえることなく玄関に響いた。

 * * *


「一緒にお風呂入ろう」
「えっ」

額にチュっとキスをして森山は浴室に伊月を連れて行く。

「お詫びに隅々まで洗ってあげる」
「い、いい。自分で、洗えるよ」
「だーめ。オレが洗いたいの」

あんまり動けないでしょと、釘を刺すように言われてしまえば二の句を告げることができず、頷くしかない。

「ご飯も、全部オレが作るから。機嫌直して」

甘やかす森山に伊月は首を振る。出張から帰ってきた森山にそこまではさせられないと訴えるが、森山はそれをすべて却下してしまった。

「いつも、作ってもらってばかりだし。たまにはね」

脱衣所に着いて、森山は伊月をゆっくりと下ろす。

「少し待っててね」

森山はそう言うとスーツを脱ぎ、ネクタイを外し、シャツを脱ぐ。それを伊月を支えながら、片手でこなしてしまっているから、かっこいい。
そして伊月のエプロンの結び目へと手を伸ばすと、簡単に解いてしまう。あっさりと脱がされてしまった伊月は、再び森山に抱えられ、浴室へと入った。
伊月をそっと下ろし、お湯の温度を確かめてから、伊月の体へとシャワーを掛け、汚れた部分を洗い流していく。
そして一通り綺麗にすると、シャワーフックを固定し、再び森山は、伊月の秘部へと手を伸ばす。
伊月は驚いて逃げようと体を動かそうとするが、森山の手に阻まれてしまった。

「ちょ、や、だっ」
「こらこら。中を掻き出すだけだから」

またここでやることになるのかと、森山の腕にしがみついてイヤだと訴える伊月に森山が落ち着くように背中を撫でる。
抱き寄せるように伊月を引き寄せて伊月の中に指を入れた。

「ぅんんっ……」

中から森山の精液が掻き出される感覚に震えながら耐えるが、そんな行為も伊月には快感として体に受け止めてしまっていた。
森山にしがみつきながら、快感をやり過ごそうとしても無理で掻き出し終えた森山が伊月を見れば頬を赤く染めて涙目に森山を見つめていた。

「うぅ……」

震えながら両足を閉じているのがいじらしいなと思いながら、森山は伊月の欲望に手を伸ばした。

「あっ」
「出すだけにするから、暴れない」
「んんっ、あ、ああっ」

伊月を抱き寄せながら触れて伊月の固くなったものを握り指で先端を弄る。
触れられ弄られればひとたまりもなく、伊月は呆気なく森山の手の中に吐き出していた。

「はぁはぁ……」

息の上がる伊月の背中を森山がさすりながら、額にキスをする。

「俊、平気?」
「ん……。ごめんなさい、オレばっかり」

瞳を潤ませて森山に謝罪してくる伊月に森山は微笑んで耳元でささやいた。

「楽しみは後に取っておかないとね」
「由孝さんっ」

恥ずかしさに声を上げる伊月に森山は笑ってその口をキスで塞いだ。


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自己紹介:
のんびりまったり、同人活動している人間です。

【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。

作者及び出版社等は一切関係御座いません。自己責任で閲覧ください。
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