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表紙:深路様 [ HP ・ pixiv ]
高尾×緑間 / A5FC / 20P / ¥300-
pixiv ⇒【CC東京132委託新刊サンプル】 君への贈り物
委託SP >> 06/30【COMIC CITY 東京 132】 SP:東6 け-32b「sugarDrops」様(青黄SP)
緑間真太郎お誕生日本。
高校生活1年目、恋人未満の2人が迎える緑間の初めての誕生日のお話。
表紙は深路様に描いていただきました。
◆書店委託 ⇒ とらのあな様 / CQ-WEB様
+ + + + + + + + + +
七月七日まで緑間との日々はこれまでと変わることはなかった。
もうすぐ誕生日だと緑間が口にすることはなかったし、高尾もあえて口にはしなかった。
少しおもしろかったのは先輩達だった。
毎朝の占いでのラッキーアイテムや七夕というわかりやすい誕生日は覚えやすいらしく、練習の合間に高尾のところにきてはさりげなく聞いてきたりするものだから高尾は心の中で笑いが止まらなかった。
「高尾はなんかやるのか?」
ストレッチしている高尾の横で同じようにストレッチしている宮地が声を掛けてきた。
主語がなかったが、宮地の視線の先に緑間がいたので、察することは出来た。
「真ちゃんの誕生日っすか?」
「ああ。お前ら仲良いだろ?」
宮地は厳しく怖い先輩だが悪い人ではなく尊敬すべき先輩の一人だ。
「好きなものあげるくらいっす」
「……好きなもの? おは朝以外になんかあんのか?」
緑間のおしるこ好きはまだ先輩達の中には浸透していないようで不思議そうな顔をする。
「おは朝は好きなものというより、人事を尽くす一貫なだけっすよ」
「好きじゃなきゃできねえよ、あんなもん」
毎日毎日ラッキーアイテムを揃え持ち歩く習慣は理解しようにも出来るものではない。
特に緑間は徹底していて部員全員が毎朝『おは朝』を見て、その日緑間が持ってくるであろうラッキーアイテムを予想するのはすでに日課になりつつある。
たまに出る通常家に無いような物が出てきても必ず持ってくる緑間は拍手に値するようで、ラッキーアイテムが部室や体育館に鎮座していても今では黙認となってしまっていて誰も何も言わなくなった。
「で、その好きなものって?」
「ああ。おしるこっすよ」
「あ?」
「お・し・る・こ」
聞き間違いかと宮地が怪訝そうな顔をするので、高尾はゆっくり答えた。
「おしるこって、あの甘味の?」
「それ以外ないですよ」
「あいつ、おしるこが好きなのか? また変わってんなぁ」
宮地は呟きながら緑間の方を見る。
「相当っすよ。毎日、おしるこ飲んでるっすから」
「毎日? 好きでもそんなに飲まねぇだろ……」
「まあ、そこが真ちゃんというか」
「確かに普通じゃ緑間じゃないな」
そこは納得するべきところではないのだが、そういう部分も緑間の不思議な魅力の一つでもあると思えば、なんだかんだで愛されている人物なんだと改めて思う。
「そういう先輩はなんかあげたりするんすか?」
「オレは別にやらねぇよ」
「じゃあ、なんで聞いたんすか?」
気にするくらいだから宮地も何かあげるのかと思っていた高尾は拍子抜けした。
被らないようにするとか、そういうので聞いてきたのだと思ったのだが、だったらどうして聞いてきたのかが気になった。
「いや、オレじゃなくて大坪」
「大坪サン?」
なんでそこに大坪が出てくるんだろうと不思議そうな表情を浮かべる高尾に宮地はストレッチを終えて立ち上がる。
「なんでも監督と相談して、誕生日はわがまま一日三回を五回までにするとか言ってたからよ」
それを聞いて高尾は吹き出した。
「そ、それって誕生日のプレゼントっすか?」
「アイツのワガママの回数を増やすのは嫌なんだけどな」
「ハハハッ」
ホントに嫌そうな顔をする宮地に高尾の笑いは止まることなく更に続いた。
「そんな話が出てたから、お前はどうすんのか気になっただけだ」
いつまで笑ってんだと頭を叩かれ高尾は笑いを堪える。
「それじゃあ、学校の帰りにでも甘味屋に行って食べるのか?」
この辺に甘味屋なんてあったか? と、呟きながら宮地は高尾に問いかける。
高尾にしてみたら思いもよらない提案で返事もせずに宮地を見ていた。
「なんだよ?」
反応がない高尾に宮地は怪訝そうな表情を浮かべる。
「あ、すいません」
「おしるこ、奢ってやるってことじゃないのか?」
「その考えがなかったなぁと思って」
「は?」
宮地は意味が分からないという表情を浮かべて高尾を見る。
高尾は一連の事を宮地に話すことにした。
* * *
「という感じなんです」
「なるほどね。それでおしるこか」
高尾の説明に宮地は納得する。
宮地はバスケットボールを手で軽く投げながら緑間を見つめてから高尾を見る。
「そういうプレゼントの方が嬉しいかもな」
「えっ」
「なんでもねーよ。ほら、練習始まんぞ」
宮地が最後につぶやいた言葉が聞き取れず聞き返したが、宮地は話は終わりだとボールを高尾に投げた。
監督の横に居る大坪が声を上げ練習が開始された。
...to be
もうすぐ誕生日だと緑間が口にすることはなかったし、高尾もあえて口にはしなかった。
少しおもしろかったのは先輩達だった。
毎朝の占いでのラッキーアイテムや七夕というわかりやすい誕生日は覚えやすいらしく、練習の合間に高尾のところにきてはさりげなく聞いてきたりするものだから高尾は心の中で笑いが止まらなかった。
「高尾はなんかやるのか?」
ストレッチしている高尾の横で同じようにストレッチしている宮地が声を掛けてきた。
主語がなかったが、宮地の視線の先に緑間がいたので、察することは出来た。
「真ちゃんの誕生日っすか?」
「ああ。お前ら仲良いだろ?」
宮地は厳しく怖い先輩だが悪い人ではなく尊敬すべき先輩の一人だ。
「好きなものあげるくらいっす」
「……好きなもの? おは朝以外になんかあんのか?」
緑間のおしるこ好きはまだ先輩達の中には浸透していないようで不思議そうな顔をする。
「おは朝は好きなものというより、人事を尽くす一貫なだけっすよ」
「好きじゃなきゃできねえよ、あんなもん」
毎日毎日ラッキーアイテムを揃え持ち歩く習慣は理解しようにも出来るものではない。
特に緑間は徹底していて部員全員が毎朝『おは朝』を見て、その日緑間が持ってくるであろうラッキーアイテムを予想するのはすでに日課になりつつある。
たまに出る通常家に無いような物が出てきても必ず持ってくる緑間は拍手に値するようで、ラッキーアイテムが部室や体育館に鎮座していても今では黙認となってしまっていて誰も何も言わなくなった。
「で、その好きなものって?」
「ああ。おしるこっすよ」
「あ?」
「お・し・る・こ」
聞き間違いかと宮地が怪訝そうな顔をするので、高尾はゆっくり答えた。
「おしるこって、あの甘味の?」
「それ以外ないですよ」
「あいつ、おしるこが好きなのか? また変わってんなぁ」
宮地は呟きながら緑間の方を見る。
「相当っすよ。毎日、おしるこ飲んでるっすから」
「毎日? 好きでもそんなに飲まねぇだろ……」
「まあ、そこが真ちゃんというか」
「確かに普通じゃ緑間じゃないな」
そこは納得するべきところではないのだが、そういう部分も緑間の不思議な魅力の一つでもあると思えば、なんだかんだで愛されている人物なんだと改めて思う。
「そういう先輩はなんかあげたりするんすか?」
「オレは別にやらねぇよ」
「じゃあ、なんで聞いたんすか?」
気にするくらいだから宮地も何かあげるのかと思っていた高尾は拍子抜けした。
被らないようにするとか、そういうので聞いてきたのだと思ったのだが、だったらどうして聞いてきたのかが気になった。
「いや、オレじゃなくて大坪」
「大坪サン?」
なんでそこに大坪が出てくるんだろうと不思議そうな表情を浮かべる高尾に宮地はストレッチを終えて立ち上がる。
「なんでも監督と相談して、誕生日はわがまま一日三回を五回までにするとか言ってたからよ」
それを聞いて高尾は吹き出した。
「そ、それって誕生日のプレゼントっすか?」
「アイツのワガママの回数を増やすのは嫌なんだけどな」
「ハハハッ」
ホントに嫌そうな顔をする宮地に高尾の笑いは止まることなく更に続いた。
「そんな話が出てたから、お前はどうすんのか気になっただけだ」
いつまで笑ってんだと頭を叩かれ高尾は笑いを堪える。
「それじゃあ、学校の帰りにでも甘味屋に行って食べるのか?」
この辺に甘味屋なんてあったか? と、呟きながら宮地は高尾に問いかける。
高尾にしてみたら思いもよらない提案で返事もせずに宮地を見ていた。
「なんだよ?」
反応がない高尾に宮地は怪訝そうな表情を浮かべる。
「あ、すいません」
「おしるこ、奢ってやるってことじゃないのか?」
「その考えがなかったなぁと思って」
「は?」
宮地は意味が分からないという表情を浮かべて高尾を見る。
高尾は一連の事を宮地に話すことにした。
* * *
「という感じなんです」
「なるほどね。それでおしるこか」
高尾の説明に宮地は納得する。
宮地はバスケットボールを手で軽く投げながら緑間を見つめてから高尾を見る。
「そういうプレゼントの方が嬉しいかもな」
「えっ」
「なんでもねーよ。ほら、練習始まんぞ」
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自己紹介:
のんびりまったり、同人活動している人間です。
【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。
作者及び出版社等は一切関係御座いません。自己責任で閲覧ください。
※無断転載禁止※
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