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伊月さん誕生日おめでとうございます~*
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監督であるリコの声で今日の練習が打ち切られる。
大方の片付けをして、個人的に練習したい人間はそのまま体育館に残る。
伊月も残れる限り残って練習する。
ウインターカップ予選までに自分自身の強化をして、大会に備えたい。
今日はいつもより少なく、残るのは日向と木吉と伊月の三人だけのようで、他は早々に引き上げていた。
「なんだか、珍しいな」
いつもなら、火神、黒子は残っているのに、姿が見えない。
伊月が残っている木吉と日向に声を掛ける。
「まあ、毎日練習ばかりなのもな。少しはいいんじゃないか。なあ、日向」
「ん? ああ、練習はちゃんとやってるわけだしな」
確かにやらなければいけないものではないしなと、思い直し練習を始めた。
* * *
「それでは、明日になった伊月の誕生日の割り振りを決めるぞー」
部室では小金井の号令の元、明日に迫った伊月の誕生日を祝う準備が行われていた。
本人にバレてはいけないので、日向と木吉はいつも通り居残り練習をしてもらっている。
そして他の部員はその隙に準備を進めようという手はずになっている。
「福田と河原は、これから近所にあるケーキ屋に行って、ケーキの予約。そして明日はそれを取りに行く担当な」
「「はい」」
横にいた土田が二人にみんなで集めたお金を手渡す。
「それで、残った俺たちは部室の飾り付けの担当。以上!」
「それだけ?」
小金井の指示がそこで終わり、リコが問いかける。
「そうだよ?」
「こんなに人数居る?」
「でも、練習終わりに出来ても三十分くらいしか、準備出来ないし、大勢の方が短時間で済むじゃん」
胸を張ってそうだろうと言い張る小金井にリコは溜息を吐きながらも時間がないのは事実だと、指示に従う。
小金井の傍にいた水戸部が小金井の服をクイクイと引っ張る。
「ん、どうした? 水戸部」
無言の視線に小金井は頷いて、オッケーと水戸部に言う。水戸部はそれを確認して帰り支度を始めたので全員が疑問符を浮かべて小金井を見る。
「水戸部は明日のためにお菓子作りたいからって」
そういえばと、水戸部は部員の誕生日に焼き菓子を作っていつも持ってきているので、全員がなるほどと頷き、水戸部を見送った。
「それじゃあ、始めるぞー」
小金井の声に全員で準備に取りかかった。
黒子は横に控えていたテツヤ2号に声を掛ける。
「先輩たちが練習を終えて片付け始めたら教えてください」
「わんっ」
黒子の言葉に大きく吠えて2号は体育館へと向かっていった。
「おお。さすが黒子ー」
「せっかくなら、驚かせたいので」
「そうだな。バレでは意味がない」
こうして一人の部員を全員で祝うのは初めてではない。
みんなお互いにしたりして貰ったりとしている。
その都度、どうやって祝うのかを話し合い、前回の祝い方とは違うようにと試行錯誤している。
前回は小金井の誕生日を全員で朝準備して、放課後の練習前に盛大に祝った。
それで今回は朝ではなく夜だと、小金井の提案で準備を進めている。
飾りを作る作業といっても、紙を輪っかにして繋げるものと、模造紙を使っておめでとうの文字を書いたりと特に何か変わったものではないが、その作業はどこか楽しくて作業しながらも笑顔だった。
そこに携帯に着信を告げるバイブレートの音が響く。
「誰かの携帯鳴ってるぞー」
「あ、ボクです」
「黒子かー。誰から?」
近くにいた降旗が問いかける。黒子は映し出される名前を確認して答える。
「黄瀬君からです」
「黄瀬?」
黒子はそのまま通話ボタンを押して携帯に出た。
「何か用ですか? 黄瀬君」
さすが元同級生というほど、普通に出ているのをみて降旗はやっぱり黒子はすごいなと思わずにはいられなかった。
「あ、すいません。明日の誕生日の準備をしていて」
どんな会話になっているのか黒子の言葉で想像するしかないが、黒子の準備しているのがわかったのか、黒子が説明し始めていた。
「それで、黄瀬君。何か聞きたいことが、あったんじゃないんですか?」
話が逸れていたのか黒子が修正する。
しばらく続きそうな電話に降旗は切り替えて作業を再開させた。
すると、通話を終えた黒子が作業に戻る。
「すいませんでした」
「黄瀬はなんだって?」
「ストバスのお誘いです。今度の土日に」
「へえ」
話をしながら続けていたが、遠くから2号の吠える声が聞こえて全員の動きが止まった。
「おお、片付けろー」
大慌てで空いているロッカーに準備したものを片づけて部室を出た。
校庭まで出て全員で一息つく。
「ギリギリセーフ」
「危なかったぁ」
伊月が戻る前に部室を出ることが出来て全員で安堵する。
「よし。じゃあ、また明日ね。くれぐれも、みんな気をつけてね」
「おつかれー」
「お疲れさまっす」
伊月俊誕生日まであと一日!
* * *
「今日の練習はここまでー」
「おつかれっしたー」
リコの声で全員一礼して、今日の練習が終わる。
今日もいつものように残って練習しようとした伊月は残っているメンバーが昨日と同じなのに気付く。
「あれ、今日もこの三人か」
みんなどうしたんだろうなと、言いながら伊月は練習を開始する。
日向と木吉は視線を合わせて頷きあった。
* * *
「ケーキ、引き取りに行ってきます」
「おー、いってらっしゃーい」
福田と河原が部室を駆け足で出ていくのを手を振って見送り、残った全員で昨日準備した飾りをロッカーから取り出して飾っていく。
「火神、そっち止めてくれ」
「おー。ここか?」
「そう」
「水戸部、こっち」
届かない場所は火神と水戸部が手分けして付けていく。
徐々に部室が華やかになっていく。
「こんなもんじゃない」
しばらくしてリコが改めて部室を見渡して声を出す。
全員で確認して笑みをこぼす。
「なかなかにイケてんじゃん」
小金井が嬉しそうに声を出す。横にいた水戸部も頷いている。
「取ってきましたー」
ケーキ屋から引き取って戻ってきた福田と河原が部室の変化に感嘆する。
「すごいっすね」
「思ってた以上だ」
手作り感満載だが、彩りはあり華やかだ。
「後は主役を呼ばなきゃ」
「ですね。2号、お願いします」
「わんっ」
黒子が2号に声を掛けると、2号は一回吠えて体育館に走っていったのを確認して部室の扉を閉める。
「はい」
リコが全員にクラッカーを手渡す。
「伊月君が入ってきたら、一斉にやるわよー」
「おお。マジでー」
小金井がテンション上がってきたと、クラッカーを構える。
「日向君や、鉄平にも渡してあるから」
「さっすが、カントク」
抜かりがないリコに、全員で声を上げる。
遠くから2号の吠える声が聞こえ、みんなでクラッカーを静かに構えた。
* * *
シュートの練習をしている伊月たちの元へテツヤ2号が近づいていく。
「2号どうした?」
気付いた伊月がシュートを止めて2号に声を掛ける。
「わんっ」
尻尾を振り、伊月の周りを歩いてもう一度吠える。
「なんだ?」
少し歩いて振り返り、もう一度吠える2号に伊月は首を傾げる。
「ついてこいって?」
「わんっ」
そう問いかけると2号は肯定するようにもう一度吠えた。
「どうした?」
「いや、2号がついてこいって」
日向の問いに伊月は答えながらボールを持ったまま2号の後についていく。
日向と木吉も一緒に行くと後ろからついてくる。
「一体、なんだろうな」
首を傾げながらも2号の後について歩いていると、向かっている先が部室な事に気付く。
「部室に、なにかあるのか?」
「わんっ」
部室の扉の前で止まり、もう一度吠える2号に伊月は振り返り日向と木吉を見る。
二人も神妙な面もちで部室の扉を見つめる。
伊月は覚悟を決めて部室の扉をゆっくり開けた。
パンッ! パパンッ!
「お誕生日おめでとう(ございます)!」
――HAPPY BIRTHDAY IDUKI !!
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のんびりまったり、同人活動している人間です。
【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。
作者及び出版社等は一切関係御座いません。自己責任で閲覧ください。
※無断転載禁止※
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