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pixiv ⇒ 【秀徳オンリー無配】 ちょこれーときす

2/11【エース様と一緒!復活なのだよ】にて、配布したペーパーに掲載したSSです。
バレンタインが終わってしまいましたが、載せておきます。





+ + + + + + + + + +



高尾がそのチョコレートを見たのは母が百貨店で貰ってきたバレンタイン特設案内の小冊子。
そこには世界各国の有名ショコラが並んでいて、その中に日本のお店も出展されていた。
もうすぐバレンタインだったかとその冊子を見つめながら女性が好きそうな華やかなラッピングが並んでいた。

「すげー。チョコ一粒千円って」

箱にはチョコレートが二粒しか入っていないのに、値段の表記が二千円となっていてどうなったらそんな値段になるのだろうと思わずにはいられなかった。
こういうチョコを女性は買って好きな人に贈っているのかと感心しながらページを捲っていると、日本のチョコレートも掲載されていた。
パッケージの包みに和紙を使用していたり、手ぬぐいだったりと趣向を凝らしたものに、おかきにチョコをコーティングしたものなど様々なものがあった。

「あっ」

そんな中、高尾の目に留まったものがあった。

「母さーん、これ今度行ったりするの?」

高尾は思わずキッチンに立つ母に声を掛けていた。


* * *


部活も終わり寒空の中、高尾は緑間と帰宅する。
相変わらずのジャンケンは負け。自転車に跨り、ペダルを漕ぐ。

「まったく今日がバレンタインだということを忘れていたのだよ」

リアカーに座り、学校の自動販売機で買ったおしるこを飲みながら緑間が呟いた。
朝からいたるところでチョコを渡す女子や、本命チョコを渡す渡さないで盛り上がる女子で今日一日中学校内は騒がしかった。
高尾や緑間も義理チョコを配り歩くクラスの女子から義理チョコをいくつか貰っていた。

「でも、くれるだけ有難いじゃん」
「……」

高尾の声に反応はなく、黙ってしまった緑間に高尾は肩を竦める。

「そうだ、真ちゃん」
「なんなのだよ」
「ちょっち寄り道いい?」
「仕方ない、付き合ってやるのだよ」
「サンキュ」

緑間の許可を取り、高尾はいつもの道を途中で曲がり公園に向かった。

「公園なんかに何の様があるのだよ」
「まあまあ、ちょっち待って」

公園の遊具を見つめている緑間を横目に高尾はリアカーに置いてある自分の鞄から一つの包みを取り出し開封する。
ガサガサと音を立てている高尾に緑間は不思議な表情を浮かべて見つめている。

「何してるのだ?」
「うん、いいこと」

含み笑いを浮かべながら言う高尾に緑間は疑いの眼差しを向ける。

「はい、あーんして」
「は?」

嬉しそうに言う高尾に緑間は疑問符を浮かべて高尾を見つめる。

「ほら。真ちゃん、あーん」

唇に何かが押し当てられて、高尾がそれを緑間に食べさせたいのだろうとわかり、口を開く。
コロンと口の中に入ってきたものが何なのかがわからないまま噛んで味を確かめる。
すると広がる味に緑間は驚きとともに、先ほどまでの疑いの気持ちが消えて、何を食べさせたのか気になった。

「どう?」
「これは、チョコレート? だけど、この味は……」
「あずきを使ってるんだって」
「…………」

高尾の言葉に緑間はなるほどと口に手を当て食べたチョコの味を確かめた。

「美味しかったのだよ」
「ホント?」

良かったと言って高尾は持っていた箱を緑間に手渡した。

「はい。真ちゃん」
「?」

渡された箱の中には、先ほど口に入れられたチョコが入っている物だった。

「高尾、これ……」
「オレからのバレンタイン」

真ちゃんが好きそうだなって思ってさと、続けて少し照れて笑う。

「だけど、不安だったから先に食べてもらっちゃった」

そう言って笑う高尾に緑間は手に持つチョコレートを見つめる。

「……」
「真ちゃん?」

上を見た高尾の額に緑間がキスをする。
あまりに突然の事に高尾が驚いて緑間を見つめる。

「え?」
「あ、ありがとうなのだよ」
「ちょ、ちょっと、真ちゃん! も、もう一回!」
「イヤなのだよ!」
「ちょっと真ちゃーん」

甘いものが好きな君へ、甘いプレゼント。


Happy Valentine's Day!
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非公開
自己紹介:
のんびりまったり、同人活動している人間です。

【黒子のバスケ】
友人のススメで原作を読みアニメを見てます。誠凛の伊月センパイ&秀徳1年コンビを気に入っております。

作者及び出版社等は一切関係御座いません。自己責任で閲覧ください。
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